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残っている最後の大切な教えは水際での諸行動であり、他の親鳥達
と共同して教育にあたる。この時点まで成長できたのは産卵された数
の約30%弱のみで生存競争を勝ち抜けた精鋭ヒナばかりなのだ。
孵化後、餌を与えられている間は自己生存だけで他は眼中になかっ
たけれど、強い協力仲間意識を持つようになる。水際における教育は
ヒナ巣立ちの最終段階のものであり、まもなく蕪嶋を離れ旅立つ。
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(7/上)親と一緒に水辺に降りてきたヒナたち |
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親鳥と海面に浮かぶ |
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親は先導してヒナを促す |
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飛び込みを躊躇しているヒナ
X印付近をめがけて親は・・→ |
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突然、勢い良く飛び込んだ、
親鳥は先導しているのだ |
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流れ枝に興味を示すヒナ |
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水浴にも慣れた |
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強風に向かって泳ぐ |
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いろいろな物を啄ばむ |
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過度の水遊びで濡れ過ぎ |
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奥は水から上がってきた |
「親子離れの前兆」
水辺教育が軌道にのると、ヒナは独立心が強固になり親離れの兆し
が出てくる。自然と親の子離れも進行する。以下はその前兆である。 |
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@ 親とヒナは一緒にいる↓ |
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A 親鳥は共同でヒナを水辺に追いやる↓ |
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B 水辺に追われたヒナたち↓ |
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C 親たちは岸で見守る。子離れの前兆 |
「先輩鳥たちの指導」
親鳥達の手助けをする先輩鳥たち。ヒナたちの指導に協力する。 |
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岩上で指導 |
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岸辺で指導 |
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海面で指導 |
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水辺の指導 |
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この時期ヤマセの霧日もある |
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ヒナ集団の芽生え |
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ヒナだけで過ごすようになる |
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瞬発的逃げができる |
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着地態勢で脚を伸ばす |
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たまたま1本脚で過ごす |
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巣立ち防波堤に集結 |
「群れて飛ぶ方法を取得」
水際教育が済むと親鳥、成長鳥とヒナ共々群れて沖に飛んで行く。
そしてヒナを置き去りにして親鳥等は戻ってくる。
置き去りにされたヒナはそれぞれ自力で戻る。この一連の行動を
繰り返しているうちに、全体としての集団行動が身につくのである。 |
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@親とヒナ混じり合って沖へ飛ぶ |
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A沖に一緒に着水 |
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A’親とヒナ混じりをアップ |
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Bヒナを置き去りにする |
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Cヒナは自力で戻る |
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D自由自在に飛ぶヒナ。成長鳥と集団飛行する |
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海水浴場にヒナも成長鳥もランダム配置で休憩 |
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空高く舞い上がるようになると、離島は間近である。 |
「成鳥と幼鳥が分離した集団となる」
巣立ちしてから、親や先輩鳥による水際教育を受けて海水に親しみ、
餌の取り方なども学んだ。その後、何度かの飛行を繰り返すなかで
大小の集団を組んで飛翔する術も習得して自由自在に飛ぶ独立鳥
となる。やがて幼鳥、親や先輩鳥はゴチャ混じりで岩場、防波堤上、
砂場などに集結する。そして数日後には幼鳥と成長鳥の混じり合い
に変化が起こる。幼鳥と成長鳥だけの集団が形作られ分離しはじめ
るのである。はじめに成長鳥集団が離島、その後に幼鳥集団が続い
て離島する。全てのウミネコは同日に飛び去るのではなく、おのおの
の集団は数日の間を取り合って飛び立ち、旅立つのである。 |
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親鳥と幼鳥の群に分離しはじめた↓ |
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ほぼ幼鳥の群が形成された |
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2009年8月
8年振り再開の海水浴場 |
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7月の海の大荒れ日に
海水浴場に寄せた昆布群 |
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7月末〜8月上旬、各集団は数日ずれて離島した |
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サハリンや北海道まで8〜10月頃まで北上し、寒さの厳しくなる
冬季には九州や四国まで南下する。春になると昨年飛び立った
仲間の約70%が帰島すると云う。春に戻ってきた4年以上経過
した成長鳥と、例年の夫婦鳥たちは産卵し子育てをする。
6ヵ月間子育てして、6ヵ月間は外遊となるわけである。
離島完了後も蕪嶋、海水浴場、魚市場、種差海岸及び港内に、
250〜300羽前後残っており、彼らは越冬するのである。 |
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