縄張り(80cu)を犯したヒナは攻撃されて逃げ惑う。素早く自分の
巣に戻れれば問題はない。互いの縄張りは連続して存在するか
ら複数箇所を侵すことは珍しくない。よって自分の縄張りを離れ
て広範囲に逃げ巡れば巡る程、攻撃される回数が多くなり、当然
致命傷をうけてしまう。狙い狙われるのは急所の頭部である。
攻撃を巧くかわすことが生き延びる条件でもある。死ねば何も
できない。生きていればそそ、何でもできる貴い生命なである。
●左側の留守中ヒナを右巣の親鳥が突然頭突きで襲った●
無責任な親鳥の場合:餌取りに飛び立ったのに複数日に渡って遊び
まわりヒナのいる巣に戻らないのがある。巣の守りをしていた一方の
親鳥は、我慢の限界を越えてしまい止むを得ず可愛いヒナを放置し
て餌捕りに飛んで行く。この時に、もしヒナが縄張りを侵したら鳴声で
危険を訴えても察知してくれるはずの親が近辺にいないので見逃さ
れてしまう確率が高い。これが未熟な親、悪い親鳥である。
⇒
@
3兄弟。(A)の上に(B)が乗る
A
(A)の上に(B)(C)が乗る
⇒
B
(A)は上になっている2羽の
重圧に耐え得ることはできない
C
親鳥が餌を持ってきたので上
の2羽は餌取移動。(A)は不動。
生死は外敵だけではない。
⇒
@動かなければ攻撃はない。
攻撃されたヒナが動いたら・・⇒
A横にいた攻撃鳥は、
すかさずヒナの頭部を再攻撃
2羽の兄弟ヒナの死
兄弟ヒナの口減らし攻撃。
暴風寒冷気温続きで、親の羽中
と雨当たりで生死が分かれた
暴風寒冷日が長引けば
誕生間際のヒナの死は多くなる
卵から孵ったヒナの2ヶ月後の生存率は1/3である。
ヒナに課せられた過酷な関門を通過することが試練である
(6/上)手前側の兄弟3羽全滅
「急所は頭部」
ウミネコの急所は頭部だから、ヒナは頭部を攻撃される。
鋭い嘴で突付かれると大きな傷となり、死に至るものもある。
ヒナの頭部を攻撃した瞬間
頭部側面に穴が開く
頭部側面の深い傷
頭部の皮はげる
後頭部の集中攻撃
後頭部の乾燥血のり
嘴突きの傷
頭部の毛はむしられた
変形した後頭部
このヒナは不動だった
「共喰い」
ヒナを襲い喰う成長鳥の例。内臓などを部分的に食する
ことはたまたま見かけるが、下の例はヒナ1羽をそのまま
鵜呑みにしたもので、切迫した状況下で起こり、稀である。
⇒
水かき欠損の成長鳥が・・・
@
ヒナを襲った
⇒
A
口に入れた
B
一気に飲み込めない
⇒
C
間を置きながら少しずつ・・
D
口を天に向けて鵜呑みした
「縄張りを侵したヒナ」
距離感のない隣の縄張りを侵して侵入したヒナの例である:
即、攻撃され逃げ惑うのだが相手の攻撃を難なくかわし、ほと
んと傷を受けずに元の巣に戻ることが出来た。連続して所在す
る敵の縄張地に侵入し数ヶ所を侵すことは珍しくない。激しい攻
撃により致命傷を受けて自分の巣に戻れない哀れヒナも多い
⇒
@
右端のヒナが下に落ちた
A
下の縄張り親に捕まる
⇒
B
今度は別の親に捕まる
C
ヒナは逃亡のため翻った
⇒
D
今度は下のヒナに捕まる
E
それも振り切った
⇒
F
自己縄張り範囲だ
G
無事、巣に戻った
「気概を示したヒナ」
⇒
頭部に傷ありしょげていたヒナ
忽然と立ち上がる